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■第4話

 交の常道からすれば、中国が異様なほど「靖国問題」を取り上げる理由は、中国にとって最大の利益を生み出すカードだからだ。
 その「靖国問題」には、一般には隠された裏事情が存在する。そのことを本当の意味で分かっているジャーナリストや政治評論家は、今の日本に果たしてどれだけいるのだろうか?
 河野元外相などは、失礼かもしれないが外交術に関しては無能を絵に描いたような政治家で、この人物こそ中国土下座外交の象徴といっても過言ではない。
 中国の顔色を見て、靖国参拝に反対する公明党も同様である。公明党は創価学会が基盤で、元は日蓮正宗の仏教徒集団である。仏教蔑視から言うわけではないが、靖国神社は神道なので公明党が参拝しないのは当然で、国際的見地から参拝に行かないわけではないということである。

 さっきの裏返しになるが、中国が「靖国問題」をしつこく言ってくる裏には、中国にとって最大の不利益を生み出すカードでもあるからだ。外交の常識で言うなら、中国最大の不利益は日本最大の利益となる。
 中国が「靖国問題」を外交のテーブルに上げた以上、日本も国益のため絶対に「靖国問題」で妥協してはならない。もし日本が本気で国連の常任理事国入りを目指すなら、外交戦術的な意味だけでも、靖国神社を参拝しなければならないということだ。
 そうしなければ中国は永久に日本の常任理事国入りに「ノー」と言う資格を持つことになる。なぜなら「靖国問題」が中国共産党の頭上から消え失せるからだ。

 もし小泉首相が靖国参拝をしたら最後、中国は過去の尋常ではない反日教育の経緯から、若者層の爆発を抑えられなくなる。その結果として、内乱鎮圧という国際的にも中国の信用を失墜するような事態を招きかねず、下手をすれば現体制が崩壊し、最悪の場合、中国共産党自体が壊滅する。
 だからこそ、必死になって「靖国参拝をやめろ」と異常なまでに圧力をかけてくるのである。声の大きさは悲鳴の大きさに比例する。

 そして、日本側にとって最ももろい壁が自民党の河野元外相であり、この政治家は結果として日本を最大の窮地に陥れる。
 なぜなら、「靖国問題」で妥協した後の日本は、中国にとって恐れるに足らない外交弱者の典型となるからだ。たかが「靖国問題」という御仁がいたら、平和ボケ人間というしかない。
 もし日本が中国の顔を立てるため、「靖国問題」で妥協したら最後、それまでと立場がまったく入れ替わる!!

 外交はパワーゲームである。顔を立ててやった見返りなどは存在しない。中国は、国連の常任国入りを賛同してほしいなら、尖閣諸島問題、沖ノ鳥島問題、ガス田問題、海底石油問題など、すべての分野で中国に妥協するよう、今まで以上に圧力をかけてくるからだ。
 そうなると中国に抵抗しても後の祭りだ。仮に靖国参拝を再開すると匂わせたら最後、中国は二国間違反というカードを切り、常任理事国という立場を逆用し、日本をアジア最大の悪者へと仕立て上げてくる。
 そこへ韓国が急に現れ、日本に代わって常任理事国入りを表明でもすれば、中国は日本に対し、中国の言うことを聞かなければ韓国を後押しするというカードを切ってくる。そうなればもはやなし崩しである。これらのことは、すべて「靖国問題」で妥協したら起きる事例である。

 結局、馬の前のニンジン同様、中国が日本からすべてを奪い尽くせば、日本への暗黙の約束は、しょせんは外交上の暗黙に過ぎないとして終わるだけだ。
 日本は、膨大な外交上と経済上の不利益の中で沈没し、アジアへの影響力も消滅する。
 つまり、「靖国問題」が日中外交の勝敗を握っているのである!!
 日中が、熾烈な国益を賭けた駆け引きの中にあることを、ほとんどの平和ボケした政治家や、多くの左派ジャーナリストを含む日本人は知らない。

 日本にとって幸運なのは、今の日本政治の舵取りをしているのが、偏屈者の小泉首相だったことだろう。今のままなら、小泉首相は「終戦記念日」に靖国神社を参拝する可能性もある。もし行けば、そのバックにはブッシュジュニアの後押しがあると見てもいい。仮に後押しが無いにしても、少なくともアメリカは口出ししない確約ができているのだ。

 今回の「靖国問題」の対処を見ていると、民主党は融通が利かない旧社会党と酷似してきたことがわかる。党内の社会主義勢力に汚染されはじめた民主党には未来はない。民主党の黒幕の小沢戦略も古くて時代に取り残されており、この老獪な政治家の最後の役目といえば、せいぜい民主党を分裂させることぐらいだろう。
 外交と内政の不協和音から、自民党の分裂が起こる可能性もあり、そうなると民主党の分裂とも相まって、もう一度、政界の大きな再編成が行われる可能性もある。
 そうなると、石原慎太郎都知事が動き出すかもしれず、21世紀型の日本政治の姿へ激変するかもしれない。
 そうなると、上海など一部の裕福さだけを鼻にかけ、アジア最大の大国と調子に乗った中国人たちは、小泉首相よりさらに手ごわい相手と対峙せねばならなくなるだろう。■

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