■第5話
外交で最も重要なのは、「強力なリーダーシップ」である。外交では絶えず主導権を握ること。それが外交で勝利する最大、且つ最小限のファクターだ。 だから、やたら中国朝貢を繰り返す自民党旧勢力や公明党は、土下座さえしていれば八方丸く収まるという妄信が骨の髄まで染み込んでいる。
その結果、日本は外交で足並みが乱れた国と見られ、白昼堂々とドタキャンしてもかまわない国となる。
対中問題は、単に中国だけを相手に繰り広げるパワーゲームではない。東南アジアからアジア全域にまで影響が拡大する外交戦争に突入しているのだ。
要は、「靖国問題」で日本が中国を圧倒的に押し切れば、アジアの国々は、日本の外交能力をそれなりに評価するだろう。中国共産党の無茶苦茶で大人気ない外交戦術を、正面突破で打ち砕いたからだ。 たとえ中国を擁護する国であっても、日本が主張して引き下がらなかった行動だけは認めざるを得なくなる。
事の良し悪しは別にして、国家として主張の無い国はどこからも尊敬されない。優柔不断な国に従うような国は何処にも無いし、グローバル化が加速する21世紀型の国際社会では、主張できない国は押し潰されてしまう。
グローバル化で不可欠なのは、八方美人の土下座外交ではなく強烈な主張なのだ。 それの無い国は21世紀では埋没するしかなく、さらに厳しい外交戦術が余儀なくされる国連の常任理事国間では存在価値もない。
外圧を受けただけで簡単に国内が混乱し、国益をドブに捨てるような国は、世界を決してリードできないからだ。
もう一度言うが、対中外交で主導権を握るカードが「靖国問題」であり、このカードが外交戦争のテーブルに上げたのは中国である。日本ではない。
しかもこのカードは中国共産党にとっては両刃の剣で、韓国や北朝鮮の同意は得られても、日本が動じなければ、日本が逆転して中国以上にアジアで主導権を握ることになる。
このカードを日本が引っ込めない限り、日本はアジアでの発言権で中国を圧倒的にリードすることができ、経済の面でも中国を凌駕できる。
「靖国問題」で中国に負けなかった日本の姿は、21世紀の新しいアジアにおける日本の外交力を強烈にアピールでき、その一方、負けた中国は国が大きい分だけ、アジアの笑い者になるだろう。
別に中国を笑い者にする必要は無いだろうが、少なくとも中国は、日本を笑い者にする外交戦術を日夜繰り返していることを忘れてはならない。嫌が上でも外交戦争は中国が最初に仕掛けてきて、すでに始まっているのである。
すでに始まった外交戦争の最中に、自民党親中派、公明党創価学会、中国擁護の左派系「朝日新聞」、共産革命を起こしそこねた全共闘ジャーナリスト・・・・彼らは中国擁護のラブコールを送りつづけ、日本の足並みを内側から崩そうと日夜画策する。
中国の揺さぶりで、朝貢を開始した自民党親中派国会議員たちを見て、組し易しとみた台湾などは、これを好機と見て「尖閣諸島」の領有権を再び強烈に主張し始めた。
「小泉さんが首相を辞めたら国立記念碑を造らせますので、どうかもう少しだけ我慢して頂きたい。我々もあの首相には困っています」という朝貢の約束も反故にしていいだろう。結果的に彼らは中国の傀儡である。選んでいるのは地方の老人たちだ。彼らが責任を取ればいい。
基本的に「靖国神社」が存在する以上、国立記念碑などを造ってもまったく意味がない。国立記念碑で「靖国問題」が解決するというのは、机上の空論ばかりしてきた社民党(旧社会党)の大嘘で、たとえ記念碑ができても、「靖国神社」を参拝をする大臣の数は減らないだろう。
結局、「靖国問題」は延々とつづくことになり、下手に妥協すると中国はさらに内政干渉に乗り出してくる。だから、「上海万博」までの日本に圧倒的に有利な次期に、日本は外交戦争で中国を完膚なきまでに叩きのめさねばならないのである。二度と文句を言わせないためだ。中国は必ず悲鳴を上げる。
しかし、妥協して弱腰と見られたら最後、日本は中国のみならず韓国や北朝鮮、あるいはロシアからもサンドバック同然となる。 ひ弱で金持ちのボンボンを脅すイジメのように、それ以外のアジアの国も日本叩きに参入してくる。
韓国を筆頭にして、日本を賠償金引き出し用のATMと化してくるのだ。先の大戦でアジアから欧米列強を追い出し、結果としてアジア各国の独立のきっかけを作った日本の功績を、当の日本人が認めないのだから阿呆というしかない。
実際、戦後、インドネシアなどに残って独立運動を邁進させたのは元日本軍たちであり、中国架橋たちは戻ってきたイギリス軍に手を貸していた。
そういう歴史をすべて見ない日本が相手なら、責めれば責めるほど賠償金名目のODAを引き出せることになる。貧しい第三諸国ではこれほど美味しい話は無い。叩くだけで金をくれるなら、どの国もそうしてくるし、事実、中国はそうしてきた。
しかし、ここで強い日本を外交の舞台でアピールできたら、尊敬されこそすれ、軽蔑されることは無い。 その時、はじめて日本はアジアのトップランナーとして認められ、アジアへの拡張政策に乗り出す中国を封じ込め、外交で立ち向かえる国として、真の意味での尊敬を勝ち得ることだろう。
裏返せば、中国がなぜ日本の常任理事国入りに猛反発するかの理由も見えてくる。だから親中派が主張するような、中国に妥協する愚考を決して犯してはならない。■
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