■第10話
日本の国連の常任理事国入りに対し、日本から膨大な額の援助を受けてきた東南アジア諸国が、賛成票を投じなかった。あるいは棄権にまわった。
それどころか、日本が膨大な援助を約束したはずのアフリカ諸国も、日本に味方をしなかった。それは一体なぜなのだろうか?
日本が過去に無意味にばらまいた援助の質にもよるが、東南アジア諸国に対しては、道路、水道、下水道、電気など、最重要な生活インフラの面倒を見てきたはずだ。
しかし、彼らは全員ソッポを向いたのだ。
その理由は中国である。中国が反対しているからだ。
それなら、中国は東南アジア諸国とアフリカ諸国に十分な援助をしているのかというと、それがセコイほど微々たるものなのだ。経済交流や石油採掘権なら日本もやっているので同格だ。では一体どこが違うのか?
中国の援助は、共産国らしく権力者に媚いることだ。東南アジアには国会議事堂や官邸を無償で建ててやり、権力側が喜ぶだけの小額援助で済ませ、アフリカ諸侯には、日本の妨害をすれば国連分担金を肩代わり(僅かな額)する約束をしている。
事実、中国の国連に支払う額は最低ランクに近く、日本の足元にも及ばない。
それなのに、東南アジアからアフリカ諸国まで、日本には味方せず中国に味方をしたのかというと、“日本は怖くない”からである!
特に日本の対北朝鮮対策により、これらの国々は、「日本は何をされても仕返しできない国」のイメージが定着した。
「対話と圧力」はこけおどしで、「対話と対話」しかできない国など、後回しにしても十分に事足りる。それより、中国に加担すれば、たとえ僅かな援助金でも頂戴できる。日本など後回しで十分と判断したのだ。
おまけに中国は武力を持って威圧するが、日本は“揺るフン”なので何の心配も無い。円借款であろうと無かろうと、日本からは金だけを巻き上げればいい。日本が北朝鮮に何も出来ない国と分かった段階で、アフリカ諸国は、来年度の援助金の大幅アップの引き出しに成功した。それが決まった段階で、日本に票を入れなかったのである。
日本人は、自分の国がこういう国ということを知っておく方がいい。■
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