■第52話 歴史から学ばない日本人!!
日本は、福沢諭吉が唱えた「脱亜入欧」を明治新政府の基本方針としたが、戦後は「脱亜入米」に変わってしまった。というか、アメリカの「植民地」、あるいは「自治領」となったという方が正確な表現だろう。名目は一応独立国だが、実態といえばプエルトリコとベトナムの中間ぐらいだろうか。
プエルトリコはアメリカの「自治領」で、選挙権はあるが完璧なアメリカ人ではない(制限付きの米国市民)準州である。一方、ベトナムは「ベトナム戦争」でアメリカに勝利したれっきとした「独立国」である。日本のように占領されることを由としない。
太平洋戦争の頃、アメリカの植民地だったフィリピンは、アメリカを追い出した日本によって独立国となる。が、日本軍がそのまま基地を造って居座ったため、日本軍の排斥運動が激化し、敵だったアメリカに協力して日本軍を追い出してしまう。
戦後、今度はアメリカ軍がフィリピンに居座り、傀儡のマルコスと癒着し、フィリピン全土をアジア最大規模の米軍基地にしてしまう。そして、そこから飛び立ったアメリカの爆撃機や艦船がベトナムを侵略した。
日本軍は、当初、フィリピン人を「アジア人として腰が据わらぬ情けない民」と評していたが、歴史的にどうなのか?
ベトナム戦争後、フィリピンの民衆はアメリカと癒着するマルコス政権を打倒し、国会議決によってアメリカ軍基地をすべて撤廃させたのである。アメリカを追い出すという不可能を可能にしたのだ。
一方、日本人は、アメリカの傀儡政権である自民党にベッタリとより沿いながら、今もなお米軍に居座られ続けている。それどころか、さらなる「本土沖縄化計画」に邁進し、アメリカ軍の中枢の一つ「第一軍団司令部」を、神奈川県の座間市に移動させようとさえしている。これが中曽根元首相の「日本列島不沈空母発言」の結果だ。
これをやったら最後、アメリカと自民党の思惑通り、本土全体が沖縄化されてしまうだろう。こういう自民党支持者たち(特に自民党党員)を見ていると、フィリピンのマルコス政権から利益を得ていた連中と全く同じに見えてくる。
今度の自民党総裁選挙を見ていても、結局は小泉劇場の延長にしか見えてこない。自民党内の権力争いの構造を、無理やり日本中が観さされているだけだからだ。「自民党=日本」ではないはずだが、いつの間にか日本人はそう思うようになっている。
アメリカと自民党が協力して急遽作り上げた、国連安保理による「日本の給油活動への感謝」の決議案は、全会一致を見ないが一応は可決された。これをもって傀儡自民党は国連決議なら選挙民の気が変わり騙せると踏んでいる。
しかし、その実態は自民党とアメリカの茶番で、ロシアは日本の国内問題を安保理にまで持ち込でくる自民党の愚かしさに怒りをあらわにし、断固認めようとしなかった。結果、国内ニュースとは違い、国連では日本の馬鹿さ加減に“反日機運”が起き始めている。なぜなら自民党が下らない事で安保理に亀裂を入れ、結束を分裂させたからだ。
こういう愚考を国連は最も嫌う。自民党はこれだけでも外国では首が飛ぶ。自国に重大な不利益をもたらしたからだ。
しかし、日本では国連安保理決議が“水戸黄門の印籠”となり、自民党はそれを「錦の御旗」に掲げ、選挙民を騙してアメリカに気に入られるよう最大限に悪用する。
特にこういうものに老人は弱い。“長いものには巻かれろ”で軍部に加担し、戦後はアメリカに従い、自民党に盲従してきたからだ。一方、今風の若者たちは”勝ち馬”に乗って人生を楽に生きようとする。つまり「蟻とキリギリス」のキリギリスで、その内、アメリカと自民党によって戦場の最前線へ送られることだろう。なぜならアメリカは自国民を戦場で死なせたくないからである。しかし、日本人なら別に構わない。どうせ植民地の労働者だからだ。
日本人はすぐに騙される民族である。世界でも「オレオレ詐欺」程度に引っかかるのは平和ボケした日本人ぐらいで、ブラジルでもオレオレ詐欺に引っかかったのは日系だけである。
今度も日本人は、またまた自民党に騙されるのだろうか?
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