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2007年10月の4件の記事

■第57話 続・亀田一家は不変の日本人像!?

 田一家の父・亀田史郎氏(以後敬称略)を見ていると、つくずく昔の日本陸軍の迷走ぶりとダブってくる。肩を怒らせた暴力まがいの処世術で周囲を恫喝し、調子に乗って暴走した挙句、最後に袋叩きにあってボコボコにされた姿・・・・・・それが今の亀田史郎の姿だろう。

 漫画家やくみつると対峙した番組でも、史郎は大声で怒鳴り散らし、ゲストたちにガンを飛ばして威圧したが、これも当時の陸軍と全く同じで、恫喝と威嚇は陸軍の専売特許だった。当時の公安警察である「特高(特高警察)」も右に倣えで同じ行為を行ったが、短絡思考で暴力を振るう方が楽だったのだろう。

 史郎の暴虐無人ぶりは、マスコミのお伊達ででさらにエスカレートし、ますます目に余るようになっていく。これも当時の陸軍と同じで、暴力が美化され常習化したのが、「ビンタ」や「精神棒」で、「兵隊は殴れば殴るほど強くなる」という愚かしい思考が、暴力行為をさらに正当化させていった。

 こういう連中が仕出かしたのが「太平洋戦争」である。陸軍が外交を無力化した結果、腕っ節だけで世界を渡り歩けると国中で錯覚する。史郎も同じである。

 「陸軍が動けば国も動く」とばかり、陸軍は中国大陸で暴走を開始した。史郎が動けば共栄ジムも一緒に動いたのと同じ構図だ。

 勿論、戦略など絵に描いた餅で、中国大陸での食料は“現地調達”である。つまり中国人から略奪せよというわけだが、数十万人もの日本兵の日々の食料を、中国人から奪えというのだから“夜盗”である。

 それを計画する「大本営」の錦の御旗が、世界人類(特にアジア人)みな兄弟の「八紘一宇」というのだから何をかいわんやだ。無茶苦茶であり整合性がまるで無い。史郎発言も同じで、「子供を守るのが親の仕事」と豪語していたが、「反則は指示はしてない」というのでは、大毅に全責任を背負わせたことになる。

 史郎は他にも多くの矛盾に満ちた発言を繰り返していて、発言以前の段階で、集音マイクも知らないというのでは、もはや知性のかけらも見出せない。

 前述の「子供を守るのが親の仕事」の発言だが、旗色が悪くなると子供を盾に隠れてしまう女々しさは、当時の陸軍と同じで、「国民を守るのが陸軍の使命」は表向きで、旗色が悪くなると国民を置いて真っ先に満州から遁走した。

 南方でマラリアに感染し、高熱を発する兵士たちに向けて「マラリアは病気ではない」と檄を飛ばし、ほとんどを無謀な斬り込みで犬死させたのも陸軍だ。陸軍航空隊が特攻する以上、海軍も特攻しろと出航されられたのが、かの「大和」だった。どれも無能無策の大本営の仕業である。

 調子がよい時にはいきり立つが、悪くなれば女子供の後ろに逃げ込む。これが日本男子という虚像の正体かもしれないが…心なしか、昔から関西人にこの手の人間が多いような気がする。

 

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■第56話 亀田一家は不変の日本人像!?

 007年10月12日に行われた「WBC世界フライ級タイトルマッチ」で、33歳の世界チャンピオン内藤大助が、18歳の世界14位の亀田大毅を10ポイントもの大差で完勝した。あの世界タイトルマッチは、日本が世界に向けて発信した取り返しのつかない“恥晒し”だった。

 それまで、社運を賭けて「亀田神話」を捏造してきたテレビ局は、旗色が悪いと見ると、一転、いつの間にか亀田批判に加わり、我関せずのバッシングを開始する。

 この様子を見ていると、まるで戦前戦中の頃の日本と同じ構造を見てしまう

 筆者は団塊の世代より1年下で、戦争中の日本を見たことがないが、今の若者たちより戦後に近い分だけ戦中の空気を僅かでも知っている。

 そこで今回、亀田一家が世界に向けて仕出かした“醜態”を、戦前戦中の日本の様子と比較してみよう。

 まず亀田一家の「不敗神話」だが、これと全く同じものが「日清・日露戦争」に勝利した頃の陸軍に存在した。しかし、日露戦争は、革命前のロシア国内の事情があり、首の皮一枚でやっと終戦に持ち込めた薄氷を踏む勝利だった。にもかかわらず、調子に乗った陸軍は、「日本は神国なので絶対に負けることがない」と豪語。これが日本中に浸透する。亀田一家の全員が強いいう、マスコミの宣伝効果により、日本中がそう思いこんでいくプロセスと似ている。

 さらに、亀田一家の対戦者への「罵詈雑言」だが、日本陸軍も英米を開戦前から「鬼畜米英」と口汚くののしり、アジア人も差別して、中国人を「チャンコロ」、朝鮮人を「チョン」と罵倒し、日本政府の制止や意見を全て無視して一気に暴走を開始する。

 結果、世界から無茶苦茶に叩きのめされたわけで、これは実力も無いのに世界チャンピオンを馬鹿にした挙句、木っ端微塵に吹き飛んだ亀田大毅と全く同じだ。

 結果、陸軍が何をしたかというと、満州から真っ先に国民を捨てて逃げ出した関東軍を筆頭に、参謀本部の連中は苦し紛れの自己保存の暴挙に出る。人命無視の極みである“特攻”を若者たちに強要し、女子供に“竹やり”を持たせて、自分たちの前に立たせようとした。沖縄では口封じのため“自害”を強制し、世界の常識では全く考えられない無為無策の全てをやり尽くす。

 じつは、世界を相手に戦争をする前から、陸軍は信じられないほどの傲慢だった。

 世界初の「八木アンテナ」というレーダーシステムがあったにも関わらず、大和魂があれば不要と黙殺。陸軍の歩兵銃に至っては、ほとんどが明治時代の「三八歩兵銃」であるにも関わらず、弱い英米と闘うにはこれで充分と高をくくり、形勢不利になってあわてて造った新型歩兵銃は、口径が前者と全く合わず、2種類の弾で闘う羽目に陥った。

 膨大な戦死者を出した「インパール作戦」や「ニューギニア作戦」も同じで、全て陸軍の無策による大失策が原因だ。亜熱帯や南洋なら果物が豊富とし、食料を支援せずに現地調達にまかせたのだ。その結果が、戦死ではなく“餓死”である。

 さらに、陸軍参謀たちは、地図に線を引き、距離が短いから行軍できるとしたが、その地図に山脈が書かれていなかった…と、こういうことは陸軍では日常茶飯事だった。

 これは、今回の亀田一家と大毅の世界チャンピオンに対する暴言、「ゴキブリに分析もクソもあるか」と同じで、世界を徹底して甘く見た日本陸軍の愚かしさと酷似するのである。 

 そして負けたら、今度は世界が「水に流してくれる」と高をくくるのだ。戦後の陸軍の指導者たちの多くも、「東京裁判」に引きずり出される前まで、自己責任を取る気もなく高をくくっていた。彼らなりの権力で“隠蔽”ができていたからだ。

 この姿勢は、周囲がルールを守ることを前提として成り立つもので、自分たちがルール無視して目立っているに過ぎない。亀田一家はそれだし、当時の日本陸軍も全く同じである。

 そして当時も今も、そういう彼らを全面的に支持し、支援し、支えていたのがこの国の日本人なのである。

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■第55話 またも負けるか日本!!

 本は「京都議定書」など、地球温暖化対策に積極的に貢献し、世界をリードしているかのようだ。世界をリードする日本の姿は、まるで「美しい日本」を絵に描いたようでもある。

  その反面、アメリカは自国のエゴしか考えず、温暖化対策に消極的と思われている。が、果たしてそれらは事実なのだろうか?

 トヨタがアメリカのゼネラルモーターズ(GM)を収益面で追い抜いたニュースが最近流れたが、その一翼をになった車が「プリウス」などのハイブリット車といわれる。しかし、現在、アメリカでハイブリット車の売れ行きは思わしくない。

 原因は、カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガーも力を入れはじめた「バイオ燃料」のシステムが本格稼動し始めたからだ。これは別にカリフォルニア州だけの動きではなく全米に波及している。

 シュワ州知事は、2010年を目処に州内の全エネルギーの20パーセント、2020年に40パーセントをバイオ燃料で補う方針を固め、北カリフォルニアのトウモロコシ産地を中心に、年間3500万ガロンのバイオエタノール生産体制を一気に進めている。

 じつは、日本人が思うほど、トヨタのハイブリッド車の普及は世界で進んでいない。むしろエコカーの面では少数派といっていいだろう。

 EUでは、「水素燃料」が注目を集めており、ドイツのBMW社では、ガソリン燃料と水素燃料のどちらでも走行可能な『Hydrogen7』を、大々的に生産を始めている。ヨーロッパはその動きが中心で、各自動車メーカーも追従している。

 一方、日本はというと、バイオエタノール3パーセントの「E3燃料」がやっとテスト段階に入ったに過ぎず、それでさえ石油企業との対立で、先の見通しが立たない状況にある。つまり、日本人得意の足の引っ張り合いが起きている。

 一方、アメリカでは既に「E10」が普通で、それを一気に「E20」、「E40」へと加速させ、今や裸の王様と化したブッシュ・ジュニアの頭上を飛び越え、アメリカの多くの大企業が一斉に対温暖化へと動き出している。特にヨーロッパでは環境問題に積極的な企業の製品や商品を買う運動が拡大し、アメリカにまで波及している。

 一方の日本は、とてもそんなレベルに至っておらず、“地球の肺”とされるブラジルの「アマゾンの森林消滅」に対し、阻止するどころか積極的に加担する有様である。毎年、アマゾンのジャングルが日本の総面積の2倍も焼き払われているが、そこで作る大豆の多くを日本企業が買い付けているのだ。

 日本が大豆を大量に買い付ける結果、アマゾンが消滅するといっても過言ではなく、中国もそれに輪を掛けて酷い買い付けるため、今や中国と日本が“地球環境を破壊し駄目にする国の筆頭”なのだ。

 なぜ日本がそうするかというと、国内産の大豆よりはるかに安いからである。つまり経済理論で動く結果なのだ。裏を返せば、日本の消費者が元凶ともいえる。ブラジル産の大豆が安いからと、国内産大豆を2の次、3の次にする結果である。おかげで農業は衰退し、田畑が荒れ果てたまま捨てられている。

 大豆だけではない。日本がアジア各国から低価格で買い付ける木材もそうだ。最近では中国も木材輸入に参入し、一気に高値になったが、それでも中国と張り合って国内産の材木には目もくれない。

 結果、好む好まざるに関わらず、日本人と中国人は、今や“地球環境の癌”のような存在になっている。そのことを日本人は理解しているのだろうか?

 日本では工場廃液や煤煙は別だが、自然破壊を伴う買い付けにおいては、全て商社任せで、ほとんど野放し状態といってもいい。

 その日本の国民がやっていることといえば、コンセントを抜いたり、スーパーのレジ袋運動ぐらい。それでもしないよりはマシだが、「京都議定書」の国がこの程度とは・・・・・あまりにお粗末である。

 今や日本人は、広島・長崎の「原爆反対運動」と同じ、何の具体策も無いのに、お題目を上げるだけの空念仏集団と化している。

 今年から来年にかけ、日本は間違いなく環境面でも、アメリカとEUに追い抜かれ、一気に水をあけられるだろう。なぜなら日本は、単発にしか物事を判断できず、大局的観点から物事を動かす能力に著しく欠ける国だからだ。つまりそういう官僚しか日本にいないということだ。

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■第54話 文科省官僚の不信な動き!!

 日本軍による沖縄県民に対する集団自決の強要は無かった!!」とする、文科省の官僚の背景に隠れている実態の方が、ある意味、11万人が参加したという「沖縄県民大会」よりも重要かもしれない。なぜなら一連の動きの中に黒幕が存在するからだ。 

 沖縄県民大会で予想以上の県民が参加したことで、文科省が教科書内容を再検討する動きも見せ始めているが、これはそれで終わりという単発的な問題ではない。政官癒着構造の一方の立役者である自民党は、「政治が教育に関わるべきではない」という正論でとぼけているが、長年の癒着体質の中でよくもそんなことが言えるものだ。今回の歴史改ざんに自民党が裏で大きく関与していたことは歴然である。

 この改ざんの背後に、我々は「防衛庁」が「防衛省」に格上げされた時期と一致することに気付かねばならない。同時に、アメリカの傀儡である自民党の「憲法改正」とも動きが一致することにも気付かねばならない。つまり自民党と霞ヶ関の官僚どもが、アメリカのお先棒を担ぎ、やがて来る名称変更を含む「日本軍」の設立にとって、邪魔になる歴史は全て消し去る動きが今回の騒動の根っこに存在するのだ。

 「日本軍は県民を守ってくれなかった!!」と今も叫び続ける沖縄は、自民党にとれば邪魔以外の何者でもなく、特に沖縄の声を封殺してきた防衛省の官僚どもにとれば、そんな声は抹殺してもよいと考えている。その急先鋒が守屋武昌(元)事務次官で、退職した今でも防衛省には彼を慕う官僚どもが無数にいる。 

 自民党は表向きの奇麗事と違い、裏では文科省に圧力を加え、憲法改正に邪魔な沖縄戦の事実を改ざんするよう働きかけてきた。官僚にもそれに賛同する者も大勢いて、近い将来、自衛隊を“”と改める際、軍の名にアレルギー反応を起こすような歴史や声は、平和裏のうちに封殺する方がいいと考えている。それがアメリカからの同意を得た動きであり、傀儡として最大限にアメリカを利用して動いている。沖縄の歴史改ざんはその一つが現れたに過ぎない

 日本人は、単発にしか物事を把握できない性癖があり、一連の動きで全体を掌握できる目が選挙に必要である。

 筆者は、国を守る軍事力の存在は必要であると考える。が、それはシビリアンコントロールができる状態という絶対条件がつく。それがアメリカの傀儡の自民党では、絶対不可能と断言できるので反対しているのだ。

 これからも国民が愚かで自民党に盲従しつづけるようであれば、それなりの政治運動を起こさねばならないだろう。

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