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■第58話 アメリカの目の上にある二つの瘤

 ・11以後、アラブの莫大な「オイルマネー」は、これまでのアメリカ国債一辺倒主義を改め、自国経済重視のために使いはじめた。

 特にヨルダンはアラブの模範生で、それに従うように湾岸各国の開発には目を見張るものがある。昨今の原油高騰の波に乗って、アラブ各国の投資熱は過熱し、日本を通り越して、アジア各国のイスラム諸国へと流れている。

 その領域は、アメリカが主張する「不安定の弧」と見事に重なり、アジアにおけるイスラム諸侯のパワーが急激に拡大する予兆を示している。

 一方、EUの通過「ユーロ」も、確実に信用度と勢いを拡大し、ドルに負けない信用通貨の地位に迫りつつある。

 日本ではあまり知られていないが、「FRB/アメリカ連邦準備制度理事会」は、通常考えられているような公的機関ではない。なぜFRBを公的機関と勘違いされるかの最大の原因は、「アメリカ中央銀行」と訳されているからだ。

 FRBの発祥は、1913年のウィルソン大統領の時代に成立した「連邦準備法」にさかのぼるが、これによって何が変わったかというと、ロックフェラーを筆頭に、モルガン、ロスチャイルド、ワーバーグ、ハリマンら大富豪が、アメリカの金融政策を統制する中央銀行を、彼らの意向だけで運営できることになったことだ。つまりFRBの実態は、一握りの大富豪たちが半数以上の株を所有する「巨大民間企業」と化しているということだ。

 1913年の時点で、大富豪たちの都合で自由にドルを刷れる法案が可決され、ロックフェラーⅠ世が「金の出る蛇口が手に入った以上、大統領の地位も議会も不要!!」と豪語したとされる理由がそこにある。つまり、アメリカという超大国のドルを利用しながら、金融政策を思うままに操ることができるのだ。

 日本の「バブル」を崩壊させたのも彼らで、アメリカの傀儡である自民党と、当時の大蔵官僚どもを利用し、そのために準備しておいた膨大な株を一気に売り抜けることで、日本から天文学的な利益を奪い取った。その莫大な付けが、今の日本人に重く圧し掛かっている。

 その次が国民の莫大な「郵便貯金」の強奪であり、それに全面協力したのが自民党の小泉純一郎である。アメリカの働き蟻だった日本人がコツコツ溜め込んだ郵政預金は、これで全て失われてしまうだろう。さらに、日本政府がしこたま溜め込んでいるアメリカの「国債」も、やがて仕掛けられる世界恐慌によって紙切れ同然となる。

 現在、ドルに逆らったフセインを葬った彼らは、ドルに肉薄する邪魔なユーロと、アラブのオイルマネーを衝突される段階に入っている。そのためわざとイランを挑発し、無理やり中東に火の粉を撒き散らしている。

 その目的は、算段どおりにアメリカが中東から撤退することから生じる、EU(主にフランス)による中東戦略を大失敗させることだ。ロシアも裏で動くが、これは最初からの目論見であり、やがて取り返しのつかないヨーロッパ対イスラム諸国の「宗教戦争」へと発展する。かくして邪魔なEUとアラブを戦争させることで、アメリカは何もせずに二つの勢力を潰し、“莫大な漁夫の利”を得ることができるのである。 

 国際感覚ゼロの日本人はほとんど気付いていないが、今、世界中に金がだぶつき、アメリカの「サブプライムローン崩壊劇」の大問題を作った原因を、日本の異常な「低金利政策」の責任へと転嫁されつつある。

 このままサブプライムローンの問題が拡大し、取り返しのつかない状況が発生した場合、FRBは、「日本銀行」が、あまりにも長期に低金利政策を継続した結果、金融不安を発生させたと分析するだろう。

 世界中の投資家が異常低金利の日本の「」を売って、金利の高い通貨に投資した結果、世界中の資金がだぶつき、それが投資ファンドとなって、さらに国際的連鎖につながったということである。

 つまり、サブプライムローンによる世界金融不安であれ、そこから派生する世界恐慌が起きても、それはアメリカの責任ではなく、日本の無策から発生したことにされるということになる。FRBがそう分析すれば世界はそれを信用する

 かくして、今まで何も考えずにアメリカの植民地に甘んじつづけ、マルコス政権を超える傀儡である自民党一辺倒に走ってきた日本人は、アメリカの言いようにされた挙句、またまた世界中から非難の的にされるのである。

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