第77話 山口補選が証明した現実!!
政治の世界で「理想」を説いても仕方がないかもしれないが、「崇高な理念」の伴わない政治は確実に国を疲弊させる。
今回の「山口補選」は民主党が勝利したが、重要なのはその過程の方である。
自民党の調査では、最初、民主党候補者と自民党候補者の差は8ポイント以上だった。しかし、必ず組織票として結びつく創価学会の票があり、安倍(前)総理大臣の地元人気もあり、そこへ小泉(前)総理から始まる、自民党の華々しい、口先だけの“お祭り戦術”が加われば一気に巻き返せると踏んだ。
重要なのは、「マニフェスト」などに具体案を約束しない事で、「地方(山口県)を活性化させます!」とだけ吹いておけば、必ず地元民を騙せると考えたことだ。そして実際、地元民は騙され、選挙告示日前で、その差が1・8ポイントにまで縮まっている。
敵前逃亡したはずの安倍(前)首相も、地元では権威ある大殿様である。その大殿様が下々に向かってお語りになる口約束こそが、地元民からすれば涙が出るほどうれしい保障となり、地元は自民党支持で一気に動き始めた。
しかし、そこへ天の配剤か、「後期高齢者医療制度」は始まってしまったのである!!
4月15日から、75歳以上の老人の年金が、一斉に天引きされたのだ。それで初めて現実が分かった山口2区の有権者たちは、“話が違う!”と怒り始めたのである。(そうなるまで何も考えてこなかったことになる)
ところが、15日以前の華々しいデータしか手元になかった福田総理は、意気揚々と勝利を確信して山口県入りし、「少しぐらいの支払い発言」をぶっ放し、さらに自民党の支持を降下させた。
このことから分かることは、日本の有権者は、尻に火がつかないと現実を見る力が無いということだ!!
今回、たまたま選挙期間に「後期高齢者医療制度」が重なった結果、山口2区の有権者があわてただけで、おそらく日本全体を見ても有権者は同レベルであろう。
その性癖は「小泉劇場」に踊り狂った東京都民とて同じである。
実際、都民の多くは、前回の「東京都議会選挙」で小泉自民党を支持し、多くの自民党議員を当選させた。その結果が、「新東京銀行」への都税400億円の追加融資である。
民主党は都民の判断で大幅に席を失い、反対しても圧倒的多数で押し切られてしまった。
新東京銀行への追加融資は、間違いなくドブに捨てる金になる。それは都民が自民党を支持した結果である。だから都民が連帯責任で400億円を税金として支払えばいい。
それどころか、400億円に新東京銀行の損失で消えた初期投資1000億円も加算されるため、都の収益分が一気に不足する。結果、不足分は都民に追加税の形で徴収される。これについては都民の自己責任なので、他府県の住民は無関係である。
一方、若手の自民党候補なら大丈夫という甘い有権者もいるが、今回の山口補選に応援演説に駆けつけたのは、若手のホープとされる石原のぶてる議員、山本一太議員、そして小泉チルドレンの杉村太蔵議員、片山さつき議員たちである。彼らのいったい何処が“新風自民党”なのだ?
今回の山口補選でも、やはり日本人の騙されやすさが露呈し、それが新たに証明されたといっていい。
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