第82話 穀物自給率28パーセントの恐怖/3
前回は、半農や農家の子息、あるいはこれから注目を浴びる農業に転職したい方に対し、幾つかの提案を述べさせていただいた。が、それらはあくまで近未来の日本で起きるはずの“飢餓状況”に対する準備の意味である。
勿論、これから活発化する穀物のエタノール化や、食料政策の失敗からくる穀物・野菜類の値上げによる収入も含んでいる。が、最大の目的はあくまでも「食料確保」だ。それも、最低でも“3年”の食料を確保することである。
一般的に、大地震や巨大台風などの突発的災害を前提とした個人貯蔵分は“3日分”とされている。が、それはあくまで災害時に交通が遮断されたり、火災などで援助が滞ることを想定とした“つなぎ”の意味だ。
しかし、ここでいうのは違う。世界的な飢餓状況に備える意味の食糧確保である。
今回、農業に携わりたくても携われない殆どの人を対象にした食糧確保の提案をしたい。が、これには相当決断力が必要で、優先順位も入れ替えねば達成は困難である。
しかし、金をかけた分は無駄にならない。どうせ食べるため損をしないのだ。
かといって、「缶詰貯蔵」では考え物である。日本の缶詰は“汁物”が殆どなので、長期貯蔵は不向きで、味も落ちるし、内側から缶が錆びてくる。まして汁物のため、量がかさむと“重い”のが難点である。
最も適する缶詰は、内容物が多く、軽く、缶も錆びないことだ。そんな都合のいい缶詰が存在するのかというと、それが存在する。NASAが開発した“ドライフーズ(フリーズドライ)”である!!
瞬間乾燥で水分だけを飛ばすため、栄養価は殆ど変わらず、水気が抜けた分だけ軽く、縮むため多くの量を1缶に詰め込める。汁物でないため軽く、内側から錆びたりることもない。
戻す場合は水を加えるだけ。調理の際に暖めればすむ。保存期間は大体25年だが、ドライフーズが生まれてから25年を超えたものがあまり無いため、実質、缶が腐食しない限りは保存が利くものと考えていい。
メーカーはアメリカの「マウンテンハウス社」。日本では「株式会社セイエンタプライズ」がサバイバルフーズの代理店として販売している。
大型缶から小型缶まであるが、アメリカから個人輸入もできる。マウンテンハウス社の製品は種類が豊富だが、狂牛病の関係で輸入できるのはビーフ以外のチキン、ポーク、野菜類に限られる。
http://www.mountainhouse.com/index.cfm
たとえば、ダースやグロス単位で購入する場合、船便に指定するほうがいい。航空便だと下手をすれば製品と同じ金額がかかってしまう。
大型缶の「ベジタブル・シチュー」1缶を例にすると、1缶で20食分が圧縮されている。1日2食なら一人1缶で10日生きることが出来る。種類を様々増やした場合、単純計算で一人の1年分は40缶弱ですむ。3年なら120缶弱だ。
都会のワンルームマンションで120缶は相当努力が必要だが、一戸建て家屋なら1部屋を倉庫に確保するだけで3年分が確保される。
貴方が地方に住んでいる場合、自宅または近所に「井戸」があれば水は確保できるが、できるだけ深い井戸の方がいい。多くの場合、大きな地震が起きた近辺の地下水は泥で濁るからだ。川や湖があれば、大干ばつでも来ない限り水は確保できるが、サバイバルグッズの「濾過装置」がある方がいい。
「インスタント食品」や「レトルト食品」は、短期間保存には適しても長期保存には適さない。経験上、長期保存はドライフーズ缶に勝るものはない。
次回は、貯蔵米についてお話したい。[つづく]
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