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■第90話/終戦記念日

 よいよ「8月15日」が近づいてきた。今の学生や若者に8月15日が何の日か尋ねても、おそらく「終戦記念日」と答えられる者は稀であろう。

 これは、日本政府が、国民に対し、過去の戦争の歴史的清算を一度もしてこなかったことが原因である。国民を巻き込む大戦争を起しておきながら、後は知らぬの「お尻ぺんぺん」で逃げたということだ。そしてそれは、自民党の長期政権下で決定的になる。

 最近は「敗戦記念日」という傾向が強いが、自虐趣味なので私個人ではやめることにした。戦争に勝ち負けは当然で、負けることをここまで自虐的に考える必要はない。

 むしろ政府は、外国に対して土下座を繰り返すぐらいなら、日本国民に対して、戦争の総括を行って責任の所在を明確にすることだろう。それが成熟した独立国というものだが、その面からも、日本がアメリカの「植民地」か「自治領」程度に終わる理由になっている。

 日本に侵略された国で、過去に一度も外国を侵略したり、国内戦争を起さなかったような国などは皆無である。そんな国に向け、日本人だけ病的に土下座を繰り返している。

 世界で日本だけが戦争を起したわけではなく、極論すれば、国際的には「外交の最終手段が戦争」とされ、今も国際上認められる行為である。まして日本が戦争を起した頃、侵略戦争は全く禁止されていなかった

 それが自民党の政策で、外国(特にアジア)に土下座を繰り返した結果、朝鮮人や中国人に足元を見られ、今も「侵略国家小日本」というレッテルを貼られているだけなのだ。

 それさえ叫んでいれば、日本人は萎縮して朝鮮人や中国人の言うことを聞くからである。中国などは、毛沢東の時代にチベットを侵略し、100万人規模の大虐殺を行った大侵略国家である。朝鮮人も、元寇の際、モンゴルに手を貸して対馬を侵略し、老人を虐殺し、女子供の手のひらに穴を開け、そこに縄を通して連れ去った民族だ。勿論、日本も豊臣秀吉の時代、朝鮮を侵略している。つまり戦争を起した国としてはどこも同格なのだ。

 にもかかわらず、終戦後、アメリカ主導で確立した日本政府は、土下座だけすれば済むとばかり、重要な戦争原因と責任問題を、「東京裁判」の結果に任せてペイにしてしまったのである。

 開戦に積極的だったのは、海軍よりも陸軍だったことは間違いない。外国事情に精通する海軍より、井の中の蛙に過ぎなかった陸軍が、やたら強気で、政権に陸軍大臣を置いて政策まで牛耳っていた。

 それは今の官僚と同じで、憲法で陸軍大臣の身分が保障されていたため追い出せなかったのである。

 当時の海軍は、薩摩(鹿児島県)出身者が牛耳り、陸軍は長州(山口県)出身者が牛耳っていた。しかし、薩摩の西郷隆盛が「西南の役」で国賊になったため、長州が勢いづき、大臣クラスの多くを長州が占め、陸軍が国策を操るまでに勢力を拡大した。

 長州といえば、昔から後先も考えずに猪突猛進で掴み掛かる癖がある藩だった。武力(奇兵隊)を用いて「元治の内戦」というクーデターを決行したのも長州で、これが後の「・26」に継承され、日本が長州の意のままに大戦へと操られた温床となる。

 さらに長州は、幕末期から、下関を通る外国船の全てを後先なく港の砲台で攻撃した藩だった。結果、「戦争」を起し、英国ユーリアラス号を筆頭とした米、英、蘭、仏四カ国連合艦隊を相手に徹底的に打ちのめされ、焦土と化したのだ。

 それはまるで、「平洋戦争」の有様を見るようで、そんな藩が勝手に起したのが太平洋戦争と思えば、山口県の責任は、終戦直後に一度は追及されておくべきだった。勿論、世代が変わった今では無意味だが、流れとしては知ってておくべきだ。

 実際、長州を中核とする陸軍は無茶苦茶だった。終戦を告げる「玉音放送」を流そうとした昭和天皇に向け、当時の天皇警護の陸軍・近衛師団は、機関銃を昭和天皇の寝所に向けたことが知られている。これは明らかな長州の逆賊行為である。

 終戦後、自民党の歴代総理大臣を次々と輩出したのも長州(山口県)で、明治政府初代総理大臣の伊藤博文を筆頭に、戦後も岸信介、佐藤栄作、安倍晋三(本籍山口県)がそうで、太平洋戦争の総括など、自民党の政権下でやるはずがないということだ。

 戦争の総括をするにも、自民党を権力の座から引きずり落とさねばならないのである!

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