第95話 図太く計算された小泉政略
あの小泉純一郎が政界引退!! なにかの策略があるとみるのが常識だ。
まず、麻生内閣が反小泉色で固まったことによる「小泉個人の反発」が原因の一つ。その裏にあるのは、次の衆議院選挙で自民党が敗北することを先読みしたことが含まれている。いわば麻生への“最後屁”の意味合いで、嫌がらせをかねた仕返しといえる。
次に、「自民党の反発を避ける」意味が含まれている。地方の自民党への反発の原因を作った張本人が政界を去れば、それだけで最大の憎まれ者が消え、地方の怒りの矛先が行方を見失ってしまうのだ。これで自民党へのプラスマイナスがゼロとなり、党内からの反発は極めて少なくなるという計算だ。
次に、前から指摘していた通り、都合が悪くなるとやる「ポイ捨て行為」である。小泉純一郎=徳川慶喜に例えたように、敵前逃亡が小泉の骨頂ということだ。それは小泉の政治根幹の“丸投げ”から十二分に予測できる性癖で、負けていない間に逃亡する“勝ち逃げ性癖”から来ている。あのタイプは負ける現実に耐えることが難しく、その相手が“最大の宿敵の小沢一郎”なら、尚更、敗北者の顔を見せたくないはずである。
さらに、民主党有利の中でも大勝ちできない場合に備えてた計算が働いている。小池百合子と小泉チルドレンの議席数をそのまま「新党設立」につなげ、どちらが勝っても選挙協力の形で食い込ませる政治戦略だ。
つまり「政界再編」に備えた動きの一環で、直接に自分が指示すれば森元総理と対立するため、事前に足抜けしておいたということだ。息子に選挙区を譲ったのもそれを見越した動きで、自分はTVを巻き込んだ外部から大衆操作に徹するということだ。
政界を去った、中曽根康弘、野中広務、ハマコー然りで、しがらみを切っただけに、前より過激な発言が可能となる。案の定、マスコミが小泉のビッグマウスに期待し、水面下で各局一斉に小泉争奪戦に突入している!
最悪なのは、小泉が「対日戦略の米国シンクタンクの指示を受けて動いている」ことだ。政治音痴の日本の有権者をコントロールする駒を、アメリカが利用しないはずはない。コバンザメ(公明党)の手口で、勝ち馬にへばりつき、アメリカの影響力を発揮させるのに、小泉一派が必要で、だからこそ森が小泉の足抜けを承諾したということだ。これで次の政権下でもアメリカのパイプが生き残れるという寸法である。
それを阻止できるのは、民主党の大勝しかない!!
最悪でも小泉チルドレンの殆どを落選させることと、小泉ジュニアも落選させることである。聖徳太子が禁止したにも関わらず、江戸時代を含めて延々と続く支配側の「世襲制」を、今の選挙民がおかしいと思わない感覚が異状ということだ。
議員の夫が死ぬと、遺影を抱いて出馬した妻が当選する・・・・・この有権者のレベルの低さが腐り切った今の日本を生み出した。これは任侠でありヤクザと同じ社会構造だろう。
きたる「衆議院選挙」の後、熱しやすく冷めやすい日本人は、再びアメリカと小泉にしてやられるかどうか、今その大きな分岐点に立っている!
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