■Bー32 真の独立国家の姿とは
日本は、自民党の長期政権下で、アメリカの間接統治による奴隷根性が骨の髄まで染み込んでしまったようだ。
前にも言ったが、日本は独立国もどき、つまりアメリカの植民地より1段上の「自治領」の地位に過ぎない。だから日本が国連の常任理事国入りを求めた際、真っ先にアメリカが反対して叩き潰したのだ。
これがドイツだけなら、常人理事国入りはOKだったかもしれない。なぜなら、ドイツはブッシュ・ジュニアに逆らって「イラク戦争」に反対したからだ。アメリカはこういう姿勢に弱く、ドイツを独立国として認めざるを得なくなる。
一方、小泉日本は真っ先にシッポを振ってイラク戦争を支持した。日本は奴隷なのでアメリカを支持するのは当然とアメリカは見る。
自治領とは、国内選挙は許されるが、アメリカ軍が基地を置いて国民を間接支配する体制をいう。日本は見事にそれと一致する。
アメリカは、傀儡(かいらい)政府だった自民党に、毎年、ワシントンから「対日年次調書」なる命令書を下し、日本人を支配する方策を行なってきた。それを自民党だけで維持できなくなると、創価学会(公明党)がアメリカの支配構造を支えた。
しかし、それが今年の政権交代で不可能になってしまった。するとアメリカのマスコミは、独立国として対等に交渉する民主党の姿勢を“我がまま”と攻撃した。
じつは、「普天間問題」がこじれると一番困るのはアメリカである。日本ではない!!
もし問題がこじれて日本から米軍基地が失われたら、アメリカはハワイと飛び地のグアムしか基地が無くなり、太平洋支配権の半分以上を失うことになるからだ。
もう一度言うが、アメリカが日米間の亀裂を一番怖がっている!!
鳩山首相と小沢幹事長はそのことを最も知っている。見ている限り、両者は陰陽で行動しており、表向きは鳩山コンニャク戦略でじらし、小沢は田中角栄ばりの外交戦略で、大訪中団を引き連れて胡錦涛国家主席と対談した。
ドイツが独立国として認可される裏には、フランスなど「EU」の強力なバックボーンがある。それを鳩山は「東アジア経済圏」とし、小沢は中国としている。両方とも方向は非常に似ており、奴隷根性が抜けないマスコミと評論家だけが、「アメリカが怒る」とわめき散らしている。
小沢幹事長は、アメリカに恩師・田中角栄を叩き潰された恨みがある。田中はアメリカ一国傾倒する日本から脱却するため、中国と独自外交を結んだ。が、その直後、アメリカが仕掛けた「ロッキード事件」で失脚する。
今、自民党が鳩山の「政治資金報告書偽装事件」と、小沢の「西松建設問題」で、両者を政界から追放しようと必死なのは、裏でアメリカが田中追放と同じ戦略を仕掛けているからである。
これら一連の動きを見ていると、日本のマスコミと評論家たちが、如何に世界四流以下かということがよく分かる。自民党と大差が無い。
民主党がどこに着地するかは、少なくとも独立国としての結果なので容認したい。それが長期外交につながるなら短期は意味がある。
小沢は元々、日本を守るには「第7艦隊」の寄港地だけでいいと発言しており、無闇に「米軍基地」を拡大しようと画策するアメリカをけん制した。鳩山も沖縄に米軍基地は不要と発言し、そういう両国の着地点がそこなら、それが外交の成果ということだ。
| 固定リンク
「対アメリカ問題」カテゴリの記事
- ■2017年3月後半/ドナルド・トランプという現象(第6回)(2017.03.22)
- ■2017年3月前半/ドナルド・トランプという現象(5)(2017.03.12)
- ■2017年2月中頃/ドナルド・トランプ(3)(2017.02.17)
- ■2017年2月初旬/トランプ大統領(2)(2017.02.07)
- ■2017年1月後半/トランプ大統領編(1)(2017.01.31)