■Bー63 真の政治家は一筋縄でいかない
最近、日本人は簡単に「クリーンな政治」という言葉を口にするが、これはマスコミ誘導で作られた絵空事である。
当のマスコミ関連の連中に聞いてみると、殆どといっていいほど、的を得た答えが返ってこない。
せいぜい出てくるのは、「21世紀型の政治」、「金に綺麗な政治」、「金を使わない選挙をやる政治」、「ガラス張りの政治」等々の、漠然とした綺麗事が羅列されるだけである。マスコミがこの程度なら、TV漬けの一般人なら尚更だろう。
じつは、この言葉、結構昔から日本人の間で漠然とした形で流されてきた。急激に具現化してきたのは、田中角栄総理大臣(当時)の「ロッキード事件」の頃だろう。
アメリカ一辺倒の政策に危機感を覚えた田中は、中国とヨーロッパを巻き込む三元外交で、アメリカに呑み込まれるリスク分散を図ろうとした。その結果、アメリカの陰謀によって「ピーナッツ(3億円)」を掴まされ、同じピーナッツを食らったヨーロッパ各国の首相は無事だったが、日本だけがマスコミ誘導によって田中が有罪となる。
酷いのは、裁判も開かれない段階で、検察と最高裁判所が手を組み、田中を有罪と発表し、国民の側もお上の大英断に拍手を送ったことだ。
ヨーロッパの人々は賢かったので、アメリカの手口に引っ掛からなかったが、愚かな日本人だけが引っ掛かった。
今、これと全く同じ図式が展界している。田中の懐刀だった小沢一郎を、アメリカ主導のマスコミ誘導によって、強制的に政治の舞台から追放する運動が、マスコミ誘導された国民の間で起きていることだ。
短絡的な日本人ならどうせ忘れているだろうが、検察が小沢を逮捕しようと画策した幾つかの事件は、全て検察が仕組んだ捏造だった。
が、それでは小沢を政界から追放できないので、あの手この手と調べつくし、弁当の隅をほじくって捜し出したのが、土地購入の手続き上の、どうでもいい帳簿ミスである。
マスコミはそれを数百倍に膨らませ、さも極悪の金亡者の成せる業の触れこみで垂れ流し続けた。
が、そもそもが無罪なので、検察は小沢を民主党代表の座から引き摺り下ろしたことで取り敢えずの幕引きを計ったのである。
元々、証拠といえるものなど何処にも無かったからである!!
ところが、国民を代表する「検察審査会」が、これまでのマスコミ情報を信じ切って、小沢を起訴すべきと息巻き、それを自民党が政治利用する形で進んでいるのが今の国会の現状である。
その動きに連動するようにマスコミに登場してきたのが、クリーンな政治家という言葉で、この意味は、「田中型金権政治と決別しよう(小沢を追放しよう)」の意味が隠されている。
政治に莫大な金が掛かるのは、オバマが政権を取ったアメリカを見ても歴然で、金が掛からない選挙などあり得ないし、政治を知らない日本人の愚かな妄想に過ぎない。
クリーンな政治家を求めるなら、何処かの坊主にでも政治を依頼すればいい。権謀術数で生き抜いてきたヨーロッパ人は、政治センスの無い善人を政治家にする愚行は犯さないし、アメリカでも大統領が謝れば全てを水に流す。
ところが、日本人は、冤罪の人間にでもネチネチと詮索し、重箱の隅をつつきながら、何が何でも叩き潰そうと画策し続ける。
だから、日本人は中庸の民ではないし、水に流すような綺麗な民族性も持っていないと断言できる。
そういう中、あの手この手と、政治と法律の裏を駆使しながら、逞しく生き抜いている小沢の政治手法を見て、マスコミも日本人も、そこに強い政治の根幹を見ようとは思わないようだ。
愚かな民というのは正にコレで、生き馬の目を抜く国際パワーゲームの舞台で、日本が勝利する術が、この小沢の政治力にあると気づかない!!
マスコミどころか、政治家の間からも出てくるクリーンな政治という言葉を聞くたびに、虫唾が走るし、何という傲慢不遜な民族かと思う。国際政治を知らないガキという面では戦前と全く同じで、稚拙で幼稚で救いがたい。
「クリーンを叫ぶ自分たちはどうなのだ!?」という言葉を叩き付けたくなる。
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